平成30年度の修了式で、校長の昔の悩みなどを聞いてもらいました。
私は、中学生から高校生の頃、「なぜ自分はかっこよくないんだろう」と容姿のことで悩んでいました。また、みんな友達と仲良く楽しそうに過ごしているのに、自分には仲良く過ごす友達がいないとも思っていました。さらには、野球の練習を一生懸命やっているのに、たいして練習していないやつより下手であることも悩んでいました。そのほかにも多くの悩み(苦しみ)を抱えながら過ごしていたように思います。多くの悩みから逃れるため、何もしなかったわけではなりません。しかし、なかなか多くの苦しみから逃れることはできませんでした。
大人になると、中学生の頃の悩みは薄らぎましたが、また、新たな悩みが生じてきました。人生に悩み(苦しみ)はつきもので、自分を成長させてくれるものだと自分を納得させた頃、アルフレッド・アドラーという心理学者の言葉を目にしました。それは、「苦しみから抜け出す方法はただひとつ。他者を喜ばせることだ。自分に何ができるかを考え、それを実行すればいい。」という言葉です。
私は、中学生の頃の自分に、この言葉を教えてあげたいと思いました。しかし、それは無理な話です。だから、月中のみなさんにこの言葉を教えます。
悩みながら成長することはもちろんあります。しかし、苦しんでいるとしたら、その苦しみから抜け出さなければいけません。そのためには、「他者を喜ばせる」ことがとても大切な力となります。